睡眠時無呼吸症候群

concept

睡眠時無呼吸症候群(すいみんじゅうむきゅうしょうこうぐんは、睡眠中に一時的に呼吸が止まることで特徴付けられる睡眠障害の一種です。

睡眠中に一時的に(10秒以上)呼吸が停止することがあり、これは中枢性睡眠時無呼吸症候群(Central Sleep Apnea, CSA)と閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea, OSA)の2つのタイプに分類されます。

無呼吸発作が1時間に5回以上ある場合、一般的に睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

症状

  • 頻繁な睡眠中の覚醒や浅い睡眠
  • 頭痛や不眠感
  • 口やのどの乾燥
  • 夜間の頻尿
  • 眠気や疲労感の持続

リスク要因

以下に当てはまる方は注意が必要です

  • 過体重や肥満
  • 口腔内の解剖学的な特性(例:小さな下顎や大きな舌)
  • 上気道の狭窄や口腔内の軟組織の弛緩
  • 高血圧や心血管疾患の既往歴

他の疾患との関連性

睡眠時無呼吸症候群を放置しておくと動脈硬化が進行し、心疾患や脳血管疾患になる危険性が高くなります。生活習慣病との関わりも深く睡眠時無呼吸症候群の50~80%に高血圧、30~50%に高脂血症を伴い、高血圧症の30~50%に睡眠時無呼吸症候群を認めるという報告もあります。

また、昼間の眠気を引き起こし交通事故などの原因にもなります。事故を起こす確率も健康な方の7倍になるともいわれています。

国内の推定患者数は900万人以上といわれていますが、自覚症状に乏しく、実際に治療を受けているのは50万人に満たないとされています。

生活習慣の改善

体重管理や喫煙の禁止、アルコール摂取の制限など、生活習慣の改善が重要です。

CPAP療法

Continuous Positive Airway Pressure(CPAP)と呼ばれる治療器具を使用し、気道を開いた状態で正常な呼吸を促進します。

口腔内装置

当院では軽度、中程度睡眠時無呼吸症候群の方はスリープスプリントによる治療を行っています。保険内で作成する場合は、呼吸器内科等での診断が必要になります。

手術

重度の場合、上気道手術や口腔外科的な処置が考慮されることがあります。